スルメイカ以外にも漁獲量が減少傾向となっている。先月31日に農林水産省が発表した「漁業・養殖業生産統計」によると、去年の養殖を除く漁獲量は282万3,400トンで前年比4.3%減少。温暖化の影響などもあり、特に深刻な不漁となっているのがスルメイカやサンマ・サケ類となっており、2014年と比較してスルメイカ・サンマは9分の1ほど、サケ類は半分以下と深刻な不漁が続いている。そんな中、農水省は「魚種転換」を推奨している。「魚種転換」とは漁をする魚の変更のこと。例えばスルメイカを専門に漁をしていた漁師が、漁獲高が期待できる別の魚を漁を行う。そんな中、今注目されている魚の1つが「マイワシ」。温暖化の影響で生息地域が広がっていることなどを理由に漁獲量が10年前と比較して3倍ほどになっている。番組ではスルメイカの水揚げが行われている函館市漁業協同組合の方に話を聞くと「スルメイカ漁は専門技術。特に培ってきた経験が必要。他の魚の漁を行うことも同様で、とる魚を変えることは容易ではない。さらに船の設備・漁場変更で新たな費用負担の必要が出てくることを考えると、なかなか現実的ではない感じる」とのこと。柳澤さんは「現実的には魚種を変えるということもあるだろうけど、それだけではなくて販路や消費者側への啓蒙も必要。そこまで全部カバーしないといくら漁師さんに漁をするものを変えてくれって言っても漁師さんも対応しきれないと思う。でも『これを獲ったら販路もあるし消費者も食べる』という流れを作るのが行政・国の役割じゃないかなと思う。そこにしっかり今から先手先手で手を打っていくというのが必要なんじゃないかなと思う」、中室さんは「気候変動の影響は無視できないが、獲りすぎてしまったという問題もあるのではないかと思う。スルメイカだけではなく、漁獲量自体が年々減少している。一方で漁師らの収入は年間たったの136万円だそうです。こういう状況で漁師さんたちに『獲らないでくれ』というのは明らかに矛盾している状況。政府ではいま減収補填のような形があるが、条件としては漁業者らに資源管理計画を出すことを求めている。根本的には漁師さんたちの収入が低いという問題があるので、自主的なものが全然ワークしていないということだと思う。ここをまず改善し、漁師さんたちの安定した収入が得られるような状況にすることが一番大事じゃないかと思う」などとコメントした。