農家や加工業者などでは、肥料や燃料、それに人件費といった生産や流通にかかるコストが増える一方で、取り引き価格に十分転嫁できず、経営が圧迫されているという指摘があがっている。こうした中で農林水産省は適正な価格転嫁を促そうと、生産者や流通業者などに対し、コストを明確にしたうえで、そのコストを考慮した取り引きを行うよう努力義務を課す方針を固めた。最終的な価格をいくらにするかは当事者に委ねるものの、価格交渉を申し入れても応じなかったり、コストを著しく下回る価格での納入を一方的に求めたりした場合などには、努力義務を十分果たせていないとして、指導や勧告を行うことも検討されている。農林水産省は、こうした制度に必要な法案を来場の通常国会に提出することにしているが、食品の値上がりにつながる可能性もあるだけに、消費者の理解がどこまで得られるか注目される。