米国FRB(連邦準備制度理事会)ははFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利を5.25%から5.5%で据え置くことを決めた。金利の据え置きは7会合連続となる。年内の利下げについて前回3月時点では年内に3回の利下げを見込んでいたが1回に減らした。FRB・パウエル議長はインフレ率が十分に減速していないため現在の政策金利の水準を維持する必要があると強調した。FOMCの決定の前に発表された米国の消費者物価指数の結果を受け為替は一時1ドル(155円台)まで円高が進んでいたがFRBの決定を受け、日米の金利差が当面、縮まらないとの見方から1円程度、円安に振れた。ただ、行き過ぎた円安にはかねてから企業などが懸念の声を上げていて改善を求めてきた経緯もある。日銀はあすまでの日程で金融政策決定会合を開くが焦点となっているのが毎月6兆円程度に上る国債の買い入れ。仮に減額が決まると需給が緩んで国債の価格が下がる一方、長期金利が上がり、日米の金利差は縮小する。日米の金利差の縮小は円高方向に進む一因となるため市場では日銀が過度な円安を抑える目的で国債の買い入れを減額するとの見方も出ている。3月に普通の金融政策へ修正を図った植田総裁。さらなる正常化に向けた判断が問われる。