テーマ「FRBの金利とアメリカ経済の行く末は」について山本賢治の解説。3月のFOMCでは2会合連続で政策金利が据え置かれた。パウエル議長も足元の米経済であったり米労働市場に対しては堅調に推移しているということを強調。一方でインフレが高止まりしているので次の政策判断に関しては急がないということを繰り返し強調。結果的には今年2回の利下げを実施するという予想も12月会合から変わらずという形だった。FOMCの景気認識はトランプ新政権の政策を受け水面下で非常に大きく修正されつつある。短期的な痛みを伴う政策が矢継ぎ早に実行されているため2月以降マーケットも不安定化しているが実は今回のFOMCでは政策の影響は見通しにはおそらく部分的にしか織り込まれていないとみられる。パウエル議長は今回の記者会見で経済に関しては非常に引き続き強いというところで経済の先行きがより明確になるまで待つことができる、そういった良いポジションにいると強調。一方で今回も記者会見で重要だったのは労働市場が今後彼らの想定以上に下振れることがあれば当然利下げ、政策を緩和するということを繰り返し述べた。今後もトランプ氏の政策が想定外のものが出てきたり、もしくは労働市場のデータに亀裂が走るようなデータが出てくればマーケットがそれに応じて非常に大きく変動をきたす可能性は十分にあると思う。