3月8日の鈴鹿サーキットはスーパーフォーミュラの開幕を控え、野田樹潤はスーパーフォーミュラの開幕を控えコースにいた。チームのメンバーと開幕の準備を進めていたがその戦う相手は日本のトップドライバー。一方で国内では実績のない樹潤は史上最年少で女性初の参戦で、否が応でも注目は高まる。その第一戦で樹潤はトップから引き離されるが、必死で食らいつき、21台中17位と検討した。しかし第2戦では周回遅れの再会。その後の2戦もトップ集団から離されて最下位争いから抜け出せない日々を過ごした。結果を残せない理由には海外で過ごしていたために日本のコースを知らないことで、少しでも走りたいところだが、本番マシンでの走行は公式練習以外では認められていない。国内で腕を磨いてきたライバルに比べ、経験不足。そこで8月中旬にはその差を埋めるためにモビリティリゾートもてぎへ。1週間後にスーパーフォーミュラの第5戦が行われるサーキットへ。その使用する車体はヨーロッパで使ったもの。下位クラスの車両での練習は認められているために使用するが燃料などは自己負担。またメカニックも自分で雇う、いわば自主トレ。
様々な種類の車もあったが、一般の人も走りに来るという。マシンの性能は本番よりも劣り感覚も異なるが国内サーキットでの経験不足を埋めるために樹潤は時間が許す限り走り込みを行った。練習を終えると使ったレーシングカーを次の走れる場所へ父の運転でトラックで運ぶ。辿り着いたのは富士スピードウェイでもおよそ2時間一般開放の時間を使って走り続けた。サーキットでの練習ができない時は都内のプロ向けのシミュレーターで練習をする。樹潤はレーサーだった父に憧れレースの世界に飛び込んだ。常に相手は年上の男性選手だったが父との二人三脚で結果を残してきた。今も夢を追う原動力は父の言葉。
シーズン折り返しの第5戦では父からもらった挑み続ける気持ちが樹潤に飛躍のきっかけをもたらした。