JRがカバーできない千葉・銚子市の先のほうを走るローカル線「銚子電鉄」。自らつけた愛称は「犬吠崖っぷちライン」。1913年に設立された銚子電鉄は慢性的な赤字経営だった。銚子電鉄・竹本勝紀社長は「もはや鉄道会社じゃなくてせんべい屋といわれている」とコメント。自社で作る「ぬれ煎餅」が大ヒットし、経営の柱に成長。自虐ネーミングの「まずい棒」も大ウケし、2021年度には黒字に転じた。去年は再び赤字に転落したが、驚きの策に打って出た。銚子電鉄の「笠上黒生駅」には「ナウル共和国」という記述がある。ナウル共和国は財政破綻の危機で、崖っぷち同士が出会って生まれたのが「ナウル共和国駅」だった。竹本社長は「これはSNSを通じた交流。その延長線上で駅名ネーミングライツという契約に至り、まさか国名を冠したネーミングライツ、おそらく全国初ではないかと思う」とコメントした。ナウル共和国との出会いを当事者たちに再現してもらった。銚子電鉄SNS担当・馬上玲美さんは「102周年のダサいポスターからこんな国とのつながりになるとは全く想像していなかった。良いことしかないなと思う」とコメントした。ナウル共和国政府観光局の“自虐系”の発信力はSNSで有名。公式ゆるキャラのナウルくんがテレビ番組に初登場し、取材に応じ「ナウルも産業が少なくて、小ささっていうところで似ていて、大変さで気になってました」とコメントした。ナウルくんは自ら銚子電鉄を訪問し、竹本社長との会談で「ナウル共和国駅」誕生が実現したという。ネット通販サイトで銚子電鉄ナウル公式コラボ缶バッジセットなどコラボグッズの売出しも始めた。
住所: 千葉県銚子市西芝町1438