この日訪れたのは、福岡堅樹さんが5歳から10年間通ったラグビークラブ。ラグビーワールドカップ2019では、圧倒的なスピードでトライを重ね、史上初となるベスト8進出に貢献した。福岡さんは小さい頃からの夢でもあった医学の道に進むため2021年に現役を引退し、現在は順天堂大学医学部に通っている。福岡さんは高校3年の時に右膝の前十字靭帯を断裂した。通常ならすぐに手術が必要だったが、当時担当医だった前田朗さんは別の治療方針を提案した。福岡さんの思いを尊重し、手術は大会後に先送りした。その代わり大会直前まで治療に専念し、夢の花園への出場を果たす。怪我を感じさせない走りでトライを決め、チームを逆転勝利に導いた。患者と向き合う前田さんの信念や生き方は福岡さんの目標となり、スポーツの世界から医学の道を目指す原動力となっている。