86歳の野村勝さんは震災時は消防士であり、震災後も長田区の復興に取り組んできた。復興の体験は2017年に自宅に段ボール24箱分もの資料として残されていて、これを2017年には寄贈している。資料は壊滅的な被害を受けた街の復興に向けた内容が書かれている。震災当時は消防士として火災を止められず無力感を抱いていたが、当時は防火水槽も消火栓の水も使えなくなってしまったという。野村さんは街の再建に向けて防火用水路を各地に設置することを考えたが、住民からは道路の拡幅を主張する声が聞かれるなど反対も多かったという。防災用水路・せせらぎが完成したのは2007年のことで、山から湧き水を引っ張り防火水槽として機能させるとともに、今では若い世代の住民も水路の掃除に参加している。