中国中央テレビは軍事演習について台湾独立の分裂勢力への強い懲罰という言葉で報じ今朝のニュースではトップ項目で大々的に伝えた。おととし8月、当時の米国下院議長が台湾を訪問した際に行われた軍事演習と比較して今回の軍事演習は台湾の西側が中国の軍事的圧力にさらされていることをさらに印象づけるものになっている。台湾・頼清徳総統は20日の就任式の演説で蔡前総統と同様、中国との関係について現状維持を唱えた一方で「台湾は中国の一部だ」とする中国の主張を否定した。中国は過去に台湾独立を唱えた頼氏を、かねてから蔡氏よりも独立志向が高いと警戒していて頼氏の演説も「台湾独立の自白だ」と非難していた。中国は頼政権が発足した20日以降、立て続けに、米国の防衛関連企業や幹部らに制裁を科すと発表していた。中国は今回の軍事演習は今日までとしている。台湾の独立に関する世論調査では去年時点で、すぐの統一や今後の統一を望む人たちは少数で、現状維持や今後の独立を望む人たちが多数。中国は、こうした世論の内情をしっかりと見ながら軍事的な圧力だけでなく経済や外交の力も使って台湾を孤立化させ徐々に頼政権を追い詰めていくとみられる。