宍戸開は長野の山あいの集落、沓津を訪れた。イワナを釣る親子、肝が絶品だとマムシを探す男性らと出会い、天ぷらなどに舌鼓を打った。200年以上の歴史がある神社を参拝すると、秋祭りに向けた準備が行われていた。獅子神楽の奉納で無病息災、五穀豊穣を祈願するという。沓津で生まれ育った佐藤長治氏は若い頃、世界を旅し、故郷への思いを強くした。ちなみに沓津では1972年に最後の住民が離村し、今は誰も住んでいない。集落に残っていた文化や風習を映像に記録するため、番組では元住民やその家族に協力を依頼していた。佐藤氏は離村後も元住民やその家族と保存会を結成し、草刈りや雪下ろしなど故郷を守り続けている。元住民の1人が獅子を保管し、87歳の小林茂一郎氏が神楽の舞について詳しく覚えていた。収録にあたって、集落の遊びや料理などかつての日常も再現した。元住民たちからは「思い出ができたな。最後のな」といった好意的な意見があがった。