日米首脳会談。政治部・太田雅志、ワシントン支局・西河篤俊の解説。個人的な関係を築きたいとしていた、石破総理としては、まずは順調なスタートを切った言える。また、USスチールの買収計画を巡っても、「投資の一環だ」と説明して、実利を重視するトランプ大統領の政治手法を意識した戦略が一定の理解につながったものと見られる。またトランプ大統領は、日本側の姿勢を評価しつつも、アメリカの対日貿易赤字の解消、日本の防衛費のさらなる増額に言及しているので、今後の出方が不透明な部分もある。石破総理としては、日米両国の協力は、2国間にとどまらず、世界の平和と繁栄につながるものだと引き続き主張して、さらなる関係構築を図りたい考え。今回、印象的だったのは、石破総理と一緒に撮った写真を贈ったりして、トランプ大統領の側から個人的な関係を築こうという姿勢が見られた点。日本とは良好な関係を保ちつつ、実利を取りたいという本音がうかがえる。注目された関税を巡っては、カナダやメキシコなどへの厳しい対応との違いが際立ち、投資の呼び込みを優先していると見られる。また、安全保障面では、日本と足並みをそろえて、最大のライバルの中国と対抗していく構え。