米中間の貿易戦争が激しさを増す中、中国は東南アジアの友好国とも貿易関係を強化しようとしている。東南アジア3カ国を歴訪する中国・習近平国家主席は14日に2日間の予定でベトナムを訪問した。今回の訪問は習主席にとって4回目のベトナム訪問で今年初の海外訪問。両国は両国を結ぶ鉄道計画を含む貿易及びサプライチェーンに関する合意文書に署名した。習主席は次にマレーシアとカンボジアを訪問予定。専門家らは習主席が東南アジア3カ国に貿易相手国に高い関税を課すアメリカに対し、中国が信頼できるパートナーであることを打ち出す狙いがあるとみている。ベトナムはアメリカが課すとしている45%の関税について交渉中。ベトナムは企業が中国政府に対する既存の関税を回避するため、中国から生産拠点の一部を移すチャイナプラスワン戦略と呼ばれる動きの恩恵を受けてきた。しかし、ベトナムは中国を除く90日間の停止となった相互関税の標的となった。ロイター通信によると、ベトナム政府はアメリカからの譲歩を引き出すために中国がベトナムを経由する迂回輸出の監視や安全保障上の懸念があるような輸出管理を強化する方針。こうした背景から今回の首脳会談はベトナムにとってバランス感覚が求められるものとなっている。