就任後初めて高市首相が所信表明演説を行った。田中泰臣は、「少数与党の難しさで政権運営を丁寧に進めると強調せざるを得なかった。日本維新の会との連立政権ができたとはいえ過半数には達しておらず政権を実現するには野党の協力が欠かせない状況を如実に表している」と話した。女性初の総理大臣としての所信表明だったがそれを強調する部分はなかったが、女性特有の疾患について診療拠点の整備・研究に取り組む考えを示した。高市カラーだと言える部分について田中泰臣は、「経済政策を全面に打ち出している点。石破総理の所信表明演説は政治とカネの問題からの信頼回復、外交安全保障、少子化対策、経済・財政の順だった。一方高市総理は経済財政政策、物価高対策、危機管理投資による経済成長、食料安全保障、エネルギー安全保障と続いた。いかに高市総理が経済政策を重視しているのかが分かる。注目ポイントは経済あっての財政、増税しなくても税収増加を目指すとしている点。戦略的に財政出動を行うことで所得などを増やす、これにより税率を上げずとも税収増加を目指すと述べている。具体的な物価高対策としてはガソリン税の暫定税率廃止、自治体向けの地方交付金の拡充、電気・ガス料金の支援など。具体的に踏み込んだのが安全保障政策。2027年度に防衛費+関連経費でGDPの2%にする計画を進めているがこれを前倒しし今年度中に措置する考えを示した。このGDPは2022年度時点のもので2%だと約11兆円となる。今年度は約9兆9000億円なので1兆円超を補正予算などで積み上げていくと思われる。今進めている防衛強化策の財源の一部は増税で賄うことが決まっている。高市総理がこの辺をどう説明していくかにも注目」と解説した。
