おとといから伝えている“シリーズ信金”。最終日のきょうは「高知にアニメ産業を・異色の挑戦」。高知県にある信用金庫では、地域経済の活性化を図るためにアニメ産業を創出しようと、異色の挑戦を行っている。先月、高知市で行われたアニメのイベントには、県内外から1万6000人以上のファンが集まった。主催したのは、地元の「高知信用金庫」。著名な漫画家を輩出してきた高知県をアニメの一大産業の地にしようと企画した。この信用金庫は高知県内で設立され、ことしで101年になる。理事長の山崎久留美さんは、窓口業務の職員からキャリアを重ね、13年前に全国の信用金庫で初の女性トップとなった。顔と手だけで預金を引き出せるATMを全国で初めて導入するなど、独自の路線を貫いてきた山崎さん。融資だけでなく、有価証券の運用に力を入れる特徴的な経営を進めてきた。山崎理事長が今、みずから旗振り役になって取り組んでいるのがアニメ産業の創出。信用金庫は営業エリアから外に出ることができないため、新たな産業を興すことで地域経済の活性化を図る必要があると考えた。イベントではアニメの制作を体験したり、3Dスキャナーの技術に触れたりできるブースを設置した。また、才能のある若手アニメクリエーターの発掘を目指して、コンペも開催。グランプリには賞金300万円が用意された。こうした取り組みが実を結び、高知に進出する企業も現れた。神戸でフィギュアなどの制作会社を経営する、吉本3Dファクトリー・吉本大輝さん。信用金庫の持つネットワークに魅力を感じて去年、高知県への進出を決めた。4月からは従業員の雇用も始め、今後は事業をさらに拡大していく計画。山崎理事長はアニメ産業の創出に一段と力を注ぎ、地域の雇用の増加につなげたいと考えている。