南海トラフ巨大地震に備え、被災後のまちづくりをあらかじめ考えておく「事前復興」の計画作りに活用してもらうため、県はこれまでの対策の効果を加味するなどした新たな津波の想定を公表した。この津波想定は、沿岸部の19の市町村が被災後の土地利用や道路の整備など「事前復興」の計画を作る際に、活用してもらおうと県がことし5月ホームページで公表した。このうち津波による浸水の深さを示すシミュレーションでは、浸水の深さは従来の想定より最大で2メートル以上浅くなっている。また、30センチの津波が到達する時間を示したシミュレーションでは、到達する時間は従来の想定より、最大で1時間以上遅くなっている。ほとんどのケースで浸水の想定が従来より軽減されていることについて県は、新たな想定では、高知市の浦戸湾で防波堤などの建設が進む「三重防護」という対策の効果を加味したり、被災後に行われる耐震化の工事により、すべての堤防が破壊されないと仮定したりしているためだとしている。