福井・鯖江市で漆の工房を営む薮下喜行は2年前に自分の工房を立ち上げた。薮下は県内の酒造メーカーで企画や営業担当をする部署の部長を務めていた。しかし新型コロナウイルス感染拡大によって状況は大きく変わった。薮下は当時50歳に近づいていて、行動に移すことに。48歳で酒蔵メーカーを退職し、漆職人の駒本長伸に漆の技を教えてほしいと頼んだ。半年間の修業を終えた薮下は自身の工房を立ち上げ、今日本酒やコーヒー用の器を作っている。2年前に工房を立ち上げたとき薮下は漆の苗木を庭に植えた。その木から漆を取ることができるのは約10年後だという。薮下は今年2月に東京にも拠点を作り、営業活動を続けている。