近い将来、日本で起きるとされている南海トラフ巨大地震について、政府は約13年ぶりに被害想定を見直し、きのう公表した。在宅率の高い冬の深夜にマグニチュード9クラスの地震が起き、東海地方が巨大津波で被災した場合、最大約29万8000人が死亡し、このうち津波の死者は21万5000人と試算している。前回の被害想定の死者数は最大で約32万3000人で、政府は大幅な減少を目指していたが1割減にとどまっている。建物の耐震化や津波避難施設の整備が進んだが、地形データの見直しで津波の浸水地域が3割増えたことが影響した。避難者は最大で約1230万人に上り、経済被害は最大270兆円を上回る。また、避難生活に伴う災害関連死が最大で約5万2000人になるとの推計も初めて示された。