日銀が国債の買い入れの規模を減らす方針。一2013年に就任した黒田総裁の下で導入された異次元の金融緩和の一環で、日銀は国債を買い入れる量を大幅に増やした。その後も大量の買い入れを続けた結果、日銀の国債の保有残高は、去年末の時点で580兆円余りに。発行残高全体のおよそ半分を占めていた。海外の中央銀行が保有する国債の割合は、おととし年末の時点で米国が21%、英国が31%となっていて、日銀の保有割合は突出した状態になっていた。こうした状態を正常化するため、月に6兆円程度としている国債の買い入れ規模を、今回減らす方針が決まった。背景には、物価が上昇し、企業の賃上げが相次ぐという好循環が見通せるようになってきたこと。そして、金融政策の正常化をさらに進めるべきだと判断したことがある。