先の衆議院選挙で議席を大幅に減らした自民党は、きのう選挙を総括するため衆参両院の議員らを対象とした懇談会を開き、石破総理大臣は“多くの同志が議席を失う結果となり、痛恨の極みだ”と述べ陳謝した。懇談会では、一部の議員が石破総理大臣に辞任を迫るなど、執行部の責任を問う声も出されたが、執行部側は“国政に停滞は許されない”として結束を呼びかけた。こうした中、政府が今月中にも決定する新たな経済対策を巡り、自民、公明両党と国民民主党はきょう政策責任者が個別に会談し、政策協議を始める。国民民主党は、いわゆる年収103万円の壁の見直しや、ガソリン代や電気代の引き下げ、それに能登半島の復旧復興に向けた支援策などを求める方針。自民、公明両党は、国民民主党の要望も踏まえて経済対策をまとめ、裏付けとなる今年度の補正予算案の成立を目指すとともに“今後、来年度予算案の編成や国会審議での協力にもつなげたい”としている。特に自民党執行部としては、衆議院で与党が過半数を割り込む中、野党の協力も得ながら政策を着実に進めることでまずは政権運営を安定化させたい考え。一方、17ある衆議院の常任委員長のうち8つが野党側に配分され、重要ポストである予算委員長は立憲民主党に割りふられることになった。立憲民主党は、新たな予算委員長に安住前国会対策委員長を、新たな副議長に玄葉元外務大臣をそれぞれ推す方向で調整している。さらに自民党と立憲民主党は、憲法論議を行う憲法審査会の会長と政治改革を議論する特別委員会の委員長のポストを立憲民主党に配分する方向で協議を進めている。