大阪・泉佐野市の「サイバール」は泉州や今治のタオル製品などのネット販売を手がける中小企業。従業員は91人で、その半分近くをパートが占めている。この秋、パート7人が新たに社会保険に加入した。国は2016年に、従業員501人以上の企業で年収106万円以上のパートなどに社会保険の加入を義務化。その後、段階的に対象を拡大し今年10月から51人以上の企業も対象になったため。パート勤務の射手矢愛美さんは「時給も上がってきて106万円の壁だと働く時間も限られる もう気にせず働いたほうがいいと思って入った」と話した。そこでサイバールでは手取りを大きく減らさない工夫もした。寸志を支給するため、会社の負担は増加。パートの社会保険の会社負担分と寸志などで増えたコストは、年間およそ200万円。それでも深刻な人手不足が続く中、こうしたコストをかけることで、より長く働けるパートを7人獲得できたことは大きいと話す。
106万円の壁の撤廃を見据えた厚生労働省の議論では労使で合意すれば、現在、原則、従業員と折半している社会保険料を企業側が多く負担する案も浮上している。この案について、日本商工会議所・小林会頭は懸念を示した。
106万円の壁の撤廃を見据えた厚生労働省の議論では労使で合意すれば、現在、原則、従業員と折半している社会保険料を企業側が多く負担する案も浮上している。この案について、日本商工会議所・小林会頭は懸念を示した。