北京に住む人権派元弁護士の王全璋さんを取材。刑期終了後も厳しい監視が続いている王さん。法的根拠など明確な説明もないまま厳しい状況に置かれている。背景にあるのは、習近平指導部が最重視する「国家の安全」。あらゆる分野で徹底され、現場の当局者レベルでは忖度もあいまって過度な対応に繋がっているとみられる。取材した記者も王さんの取材後に尾行された。「709事件」では王さんの他にも監視や嫌がらせを受けている人がいて、国際的な人権団体も今月声明を出し批判している。人権派弁護士の活動はこの10年で状況は厳しくなった。市民による集団抗議活動も今は抑え込まれ、表立った活動を目にすることは大幅に減った。中国政府は共産党が主導する中国独自のやり方で対応する姿勢で、法律を使い権力や社会を統治する色彩が強い。そこに司法の独立や言論の自由といった価値観は前提とされていない。当局が許容する枠から外れた人たちの声は行き場をなくしている。