今月7日まで一般公開されている全米有数の自動車展示会「ニューヨーク国際自動車ショー」。今年はここ数年とは様相が一変していた。報道公開初日、トップバッターとして記者発表会を行った韓国・「ヒョンデ自動車」。お披露目したのが「ツーソン」と呼ばれるSUVと「サンタクルーズ」だが、いずれもEVではなくガソリン、ハイブリッドのモデルとなっている。続けて発表された姉妹ブランド「起亜」の新型車「K4」もガソリン車だった。去年は各社が競ってEVの新モデルを発表していたニューヨーク国際自動車ショー。しかし今年の主役はあきらかにガソリン車やハイブリッド車に戻りつつあった。価格の高さや充電インフラに対する根強い懸念などを背景にアメリカのEV販売は2022年初頭をピークに原則傾向。手厚い補助金でEV普及を後押ししてきたバイデン政権だが先月20日、2032年までに新車販売に占めるEV比率の目標を従来の67％から35％へと大幅に引き下げた。さらに先月、振興EVメーカー「フィスカー」が業績悪化で上場廃止の危機にあると報じられている。EV市場で逆風が吹く中で迎えた今回の自動車ショーで各社が口を揃えて強調したのがEVへのシフトを強く打ち出す従来の方針を転換し、ガソリン車やハイブリット車などバランスよくラインナップを充実させる方向への軌道修正を強くにじませた。バッテリーメーカーとして唯一の出展となった中国企業「EVEエナジー」。BMWなどにバッテリーを提供していてEV向けは全体の60％程を占める主要事業だと言うが、EVEのシニアVPは「2024年は「調整の年」になる。消費者は一度立ち止まりEVを再評価するだそう。」と話す。日産自動車もEVEではなくガソリン車の新型SUVを公開した。将来的なEVの普及を9見据えつつ足元の消費者の需要に立ち返ることが重要だと指摘する。
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