台北から南に150キロ、花蓮空軍基地は主に太平洋の空の防衛を担っている。基地内には約60機のF16戦闘機が配備され、スクランブル発進に備える。現在2000人が24時間態勢で勤務。何承育分隊長は作戦立案などを行う部隊の指揮を取るエースパイロット。中国軍の戦術に関しても研究し、現状に対しての危機感も抱いているという。基地内のF16戦闘機には不測の事態に備え実弾が装填されている。発進命令から6分以内に離陸できるよう訓練されており、基地内では常に実戦を想定した訓練が行われている。昨年8月、アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことを受け、中国は対抗措置として、台湾周辺で大規模な演習を実施。その後も台湾の防空識別圏への侵入を繰り返している。基地内では、少ない飛行機の数でも敵に対抗できるように、編隊飛行について議論が繰り返される。何承育分隊長は現在家族とともに基地内に住んでいるが、お子さんには中国との理想的な関係を願い息子さんには「平和」くん、娘さんには「調和」ちゃんと名付けたという。名前には戦争が起きないようにという願いが込められているという。何承育分隊長は重い責任を持ち、訓練に臨んでいるが「誰も戦争は起きてほしくないが、家族のために訓練を行う」と語った。