沖縄県の那覇・真嘉比、牧志、南風原町兼城などでの所有者不明土地について、こうした所有者不明土地は県内に27市町村あり、いちばん集中してあるのが那覇市とか与那原、西原だという。総面積は98万平方メートルにも及んでいる。この問題の背景にあるのは沖縄戦で、戦火で土地の所有者と親族が死亡したり台帳が失われたりしたため多くの所有者不明土地を抱えることになったという。県は情報提供を求めているが、2015年以降新たに土地の所有者は見つかっていない。沖縄県では本土復帰に伴い、県や自治体で管理が義務づけられているため、定期的なパトロールや草刈りなどが必要で、自治体の負担が大きくなっている。こうした中改正民法が去年施行され、所有者不明土地との関係性が裁判所にみとめられれば自治体や個人が土地を取得可能になった。粟国村では北側に集中している所有者不明土地のうち約1000平方メートルを制度に基づいて購入し、製糖工場の宿舎の建設を進めている。一方で所有者不明土地の中には土地内に墓があるなどして活用が難しいものもあり、こうした土地については今後も県や自治体が管理していく状況が続くとみられている。