新型ロケット「H3」が計画通り飛行し、目標の軌道に到達した。JAXA開発責任者の岡田匡史さんは、ようやくH3がおぎゃーと産声をあげることができたと話した。午前9時22分すぎに打ち上げられたH3 2号機。約16分後には目標の軌道に到達。その後計画どおりに飛行し打ち上げは成功した。H3の開発は国家プロジェクトとして10年前にスタート。世界的な商業衛星の需要の高まりを受けたロケット開発の激化が背景にあった。近年、アメリカ、中国、ロシアなどが続々を打ち上げを成功させている。H3の目標はH2A比でパワーを増強する一方で打ち上げコストを半分程度に。各国が熾烈な競争を続ける中で切り札と期待されていたが去年3月に打ち上げられた初号機は2段目のエンジンに着火せず失敗。岡田匡史さんは、笑いながらないていた、多くのメンバーに支えられてここまで来て、そのメンバーが座っていたが全員同じ気持ちだったと思う、などと話した。H3はこの後2032年までに少なくとも22回の打ち上げが計画されている。笹川平和財団の角南篤理事長は、コスト面、打ち上げの柔軟性、顧客のニーズに合ったサービスを考えると課題がたくさんある、などと述べていた。