眼鏡づくりに欠かせない作業を行っているハンズ。フレームが掛けられたラックを次から次へと液体の中へ沈めていく。液中に溶け出している金がチタンフレームに付着し、鮮やかな金色へと変わった。チタン上にメッキを付ける「メッキ加工」。メッキ加工とはチタンなどの素材の表面に金属の薄い膜を形成する技術。サビ・腐食を防ぎ、見た目も美しく仕上げる。そもそも鯖江の眼鏡作りは専門の会社ごとに分業されている。デザインから仕上げまでそれぞれの工程を熟練の職人達が担い、街全体で1本の眼鏡を生み出す。眼鏡作りに欠かせない機械がある。入っているのは竹とウッドのチップ。問題:この機械で何をする?正解:研磨。6日間くらい回し続けるという。今、日本製の眼鏡フレームの約9割が鯖江で製作されている。ハンズは鯖江でも数社しかないメッキ加工の専門会社。化学を熟した者だけが担える希少な仕事。金属が溶け込んだ液「メッキ液」。これを徹底して管理することで眼鏡フレームに良質なメッキが施されるという。橋本さんが最も得意とするのはチタン製のフレーム。ハンズには橋本さんを頼りに訪れる人が後を絶たない。橋本さんは43歳で独立。以来、黒字経営を継続。しかし、2年前にハンズを譲り渡すM&Aを決断した。