いま韓国のテレビ業界では生成AIを使った映像作りが急速に広がっている。公共放送「MBC」はピカソが誤認逮捕された「名画モナリザ盗難事件」の再現VTRをAIで作成。今回特別に製作チームを取材することができた。使うのは複数の生成AIモデル。おおまかな作業の流れは、最初にラフな絵コンテを作りAIに読み込ませる。次にどんな画像を作るのかAIに文章で指示し、キャラクターで反映させる。さらに絵に動きを付ける指示を出す。そして最後に使うのが実際の役者で撮影した動画。Aiの動画と合成させることで筋肉の動きなど自然に仕上がりになる。放送をみた視聴者からは映像に違和感をおぼえたとの指摘があったものの、テレビ業界の関心は高いという。私達も映像を作成してもらった。使ったのは携帯で撮ったわずか数枚の写真。できあがったのが中世ヨーロッパの街を歩き、宇宙旅行をし、ジャングルを探索中にワニと遭遇し、家のリビングにワープで避難した。スタッフはAIを使うことで費用や制作時間からこれまでできなかった表現が実現したと話す。その一方で、AIがデータを学習する際に無許可で画像などを使うことが著作権の侵害にあたるとの指摘などもある。MBCテレビの幹部は実際の映像を使った番組がなくなることはないと指摘したうえで「特定の分野で強みを発揮するのでAI活用した番組は今よりはるかに多くなると思う。」と話す。AI活用は経費削減につながるとも期待されていて、経営環境が厳しさを増すテレビ局にとって救世主となるのか注目されている。
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