朝日ライフアセットマネジメント・武重に話を聞く。日経平均予想レンジ:37900円~38400円。注目ポイントは「海外投資家の売買とファクター動向」。アメリカ軍がイランの核施設を攻撃し中東情勢が一段と悪化するリスクが高まっている。事態がホルムズ海峡の封鎖に発展した場合、日本経済や日本企業の業績に与える影響も非常に大きくなる。最近の海外投資家が日本株を買い越していることが注目されている。4月から海外投資家の買い越しが継続していて、現物株の売買では11週連続の買い越しとなっている。ファクター指数のアクティブリターン(対TOPIX)と海外投資家の現物株売買の相関係数(MSCI・日本取引所のデータを用いて作成)を見るとグロース、モメンタム、クオリティーが海外投資家の売買と正の相関があり、海外投資家が買い越しとなるときにリターンが高くなる傾向がある。11週連続買い越し期間中のファクター指数のリターンは、クオリティー、モメンタム、グロースが上位。これらの特徴を持つ銘柄を言葉で表すと「財務が健全で収益性や成長性が高く株価が好調な銘柄」。2023年に海外投資家が12週連続で現物株を買い越した時期があるが、その時は日本株自体が注目されていた。今回は日本株自体が注目されているわけではないため持続性には疑問が残る。上乗せ関税の停止期限や中東情勢の悪化などをきっかけとした海外投資家の動向に注意が必要。