データセンターの増設で半導体の需要も拡大している。米国の半導体大手「エヌビディア」が開発するAI向けの半導体は、世界中のIT企業などで引っ張りだこだが、実はその製品向けに多くの部材を供給している日本の企業がある。岐阜県に本社がある電子部品メーカー「イビデン」の河島浩二社長に、今後の半導体需要について聞いた。会社の創業は1912年。もともとは電力事業から始まったが、今は電子部品が事業の柱。主力製品は半導体用のパッケージ基板。パッケージ基板とは、半導体チップを並べる板状のもの。半導体は電子回路を細かくする微細化によって性能を高めてきたが、その技術も限界に近づいている。そこで今は、複数の半導体チップをパッケージ基盤に並べて高性能化を図る技術が競争の舞台となっていて、その基盤を作る技術力がある企業は世界でもわずかしかない。河島社長は、生成AI関連への強い需要はことしも続くと見込んでいる。日本は半導体の素材や製造装置といった関連産業に強みがある。競争力を維持して、地域経済への貢献にも期待したい。