ストレス・体力低下などにより免疫力が下がる避難生活で気をつけたいのが、誤嚥性肺炎と感染症。災害時は、断水などの影響で歯磨きで口の中を清潔に保つことが疎かになりがちになる。すると口の中で増えた細菌が唾液や食べ物と共に肺に流れ込んで肺炎を起こす誤嚥性肺炎のリスクが高まる。歯科医師によると、断水時の歯磨き方法はごく少量の水をコップに用意して歯ブラシの先を濡らす。そして口の中に歯ブラシをかけて、汚れが取れたらティッシュペーパーでその汚れを取るを何度か繰り返し、残りの水を2回に分けてしっかり口を濯ぐ。水や歯ブラシがない時は、歯みがきシートが売られているのでそれを用意し、シートを指に巻き付けて歯と歯茎の間を沢山こする。入手できない場合は、液体ハミガキをティッシュペーパーやガーゼに染み込ませても良いという。唾液には、消化を助けたり殺菌効果もある。唾液腺マッサージをすると唾液がでるのでやってもらいたいという。奥歯の噛み締め部分・フェイスラインの下・顎の下を、それぞれ30秒ほどマッサージすれば唾液が出やすくなるという。東日本大震災の時、福島のある避難所では大規模なノロウイルス感染が起こった。感染者の排泄物や吐き出したものに多く含まれ、感染力が高く消毒後も適切に処理しなければ乾燥して粉塵となって空気中を漂う。そこでこの時は、避難所を区画ごとで布で仕切り、人から人への感染リスクを減らし、居住スペースを嵩上げした。こうした対策の結果、感染者は0になった。新型コロナやインフルエンザ対策としても、間仕切りなどを使用し避難者同士の間隔を2メートル以上保った状態で生活するのが理想とされている。運営者は、可能な限り体調の悪い人は別の場所に誘導できることが求められる。