中国外務省は、日本を含む9か国に対して、短期滞在のビザを免除する措置を、今月30日から実施すると発表した。これまで15日としていたビザなしの滞在期間を30日に延長し、実施期間は来年末までとしている。中国政府は、コロナ禍で停止したビザ免除の措置を去年、シンガポールなどを対象に再開。その後、相次いで対象国を加えたが、日本は入らず、日本企業などから再開を求める声が相次ぎ、日本政府が中国政府に再開を求めていた。中国が日本との関係安定化に動く背景には、不動産不況の長期化で、国内経済の減速が鮮明になる中で、日本からの投資などを呼び込みたいねらいがあると見られる。また、米国のトランプ次期政権との間で、対立が激しくなる可能性も念頭に、米国以外の国との関係を今のうちに安定させたい中国側の思惑もうかがえる。4年8か月ぶりとなるビザの免除で、観光やビジネスでの日本人の訪問がどこまで増えるのかが焦点。