2年ぶりに山口に帰ってきた「SLやまぐち号」。客車を引く蒸気機関車D51は「デゴイチ」の愛称で親しまれている。力強い走りを復活させたのは整備士たちだった。京都市にあるJR西日本の車両基地では8両の蒸気機関車が管理されている。ことし1月、運転再開に向けた作業が大詰めを迎えていた。D51の重量は125.1トン。部品数はおよそ1万個。今回はその半分、5000個を傷やひびがないかおよそ5か月かけて念入りに点検した。昭和13年製造のD51。老朽化した部品の中には製造されなくなったものもありここで、一から部品を作る。この日行われた作業は蒸気機関車の心臓部であるボイラーと車輪を組み合わせる車入れ。1ミリもずれのないように何度も何度も微調整が繰り返される。修理にはベテラン整備士の存在が欠かせない。経験豊富なベテランと一緒に作業をすることで整備の知識や技術を受け継ぐ大切な機会となっている。