2023年11月、東京・池袋の公園。午後6時、広い公園を埋める長い列。弁当の配布が始まった。この日用意された575食は30分ほどでなくなった。ここに集まる人はどんな事情を抱えているのか。サービス業アルバイトの45歳の男性は「コロナが来て職を失ってさんざん探したんですけど結局今のような仕事しかなくて、これ以上働かないと収入がないから」と話す。弁当を受け取った人は公園を出てそれぞれの居場所へ。貧困状態にある人は約2000万人。約6人に1人。20年間支援活動をしているというTENOHASIの清野賢司代表理事は「コロナが落ち着いてきたかと思ったにもかかわらず人数は高止まりのままで減らないと」「今はむしろ家があるけれど生活が苦しくて炊き出しを必要とする方が増えている」と語った。コロナ禍後、ここを訪れる人の顔ぶれに変化が起きているという。夫74 妻79 息子50代の家族お連れ。夫婦は年金で生活し、家賃や光熱・水道費などを引くと手元にはほとんど残らない。飲食店勤務の50代女性は、働きながら生活していて、おかずが買えない、サラダとかも買えず、野菜が高くて少し買っただけでも2000円とか、などと語る。困窮する女性たち。炊き出し会場の一角に利用者が自由に創作できるアートスペースがある。
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