火災の原因ともなるリチウムイオン電池の電気漏れ。これまで見えなかった漏れを神戸大学教授・木村建学発のスタートアップ企業がある。神戸大学教授・木村建次郎(Integral Geometry Science CEO)が数学によって導き出した物体内透視技術で発見できるようにした。電池内の三次元電流を磁気計測結果から逆解析する方程式でつくられた製品が蓄電池非破壊画像診断システム。電池の中に流れている電流を可視化する機械で、リチウムイオン電池のプラス極とマイナス極の間には微量の電気が流れ互いを引き合っている。ここに磁界も発生し電池の製造過程でミスがあった場合は電流が1か所に集中し発火。この電流が強まる場所は磁界が強くなっていた。木村が開発した検査装置は電池から漏れ出す磁界の強さを場所ごとに細かく図り、そのデーターを木村が編み出した方程式で解析している。リチウムイオン電池の安全性を高める世界初の技術に政府や企業が注目。1月には政府系機関が量産化のため、およそ25億円の助成金を交付。すでに大企業のTOPPANが代理販売を開始し、大手自動車メーカーや電池メーカーからも受注している。