きょう夕方、東京・霞が関の財務省の前で行われたデモ。政府の予算編成や税制の企画立案などを担う財務省に対し参加者は減税や税金の使い方の見直しなどを訴えていた。参加者の多くはSNSで情報を得て参加を決めたという。財務省前では以前から一部の人たちがデモを行っていたが去年12月頃からSNSでの呼びかけが行われ、徐々に規模が拡大したと見られる。Xの投稿を調べたところ去年10月以降、財務省と解体を含む投稿は約450万件で今年1月下旬に急増。分析すると普段、ロシアの支持や外国人排斥を繰り返し訴えているアカウントからの投稿が多く拡散されていた。YouTubeでは関連動画が2月下旬から急増。一昨日までで4000本を超えていて総再生回数は計1億7000万回以上に上っている。このうち最も多く拡散された主張の1つは「日本は増税ばかりしている、積極的な国債発行ができないからだ」などとするもので約300万回再生された動画もあった。暮らしを取り巻く状況が厳しさを増す中、所得に対する税金と社会保険料の負担割合を示す国民負担率は上昇傾向にある。一方、国債発行残高は2000年代に入ってから上昇のペースが大きくなっている。投稿の中には「財務省に日本国籍の人はいない」という誤った情報や「アメリカ・トランプ大統領が日本の財務省の解体を発表した」などとする根拠のない情報も複数出ていた。ネットを通じた社会運動に詳しい成蹊大学・伊藤昌亮教授は「SNSで単純化されたり誇張されたりした話が広がる中、新しい形のデモが起きている」と指摘。今日、加藤財務大臣はデモが行われていることについて「デモの背景には消費者物価、食料品をはじめ身の回りの物価上昇、賃金も上がっているものの実質賃金が上がらない。こうしたは背景を十分に認識をし、よく聞かせてもらいながら経済再生と財政健全化の両立を図っていくことが重要」と述べた。