一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんは書店の減少について「Eコマースの台頭とともにリアル店舗の死が間近に迫っていると思われた時期もあったが、実際にはそんなことはなかった。本の場合もそう。例えばアメリカではAmazonが書籍販売の4割を占める一方、書店経営者の個性が本の品揃えやお店づくりに現れる独立系の書店がここ10年ほどで5割近くも増えている。ここに日本の町の本屋さんが生き残る鍵があるように思う。本を手に入れる最も効率的な方法はオンラインでの購入。この効率とは反対側にあるリアルな体験を町の本屋さんは提供する必要がある。本棚を眺めながら店内をゆっくり巡り歩いていると思ってもいなかった本と出会うことがある。さらに好きな作家に会えるサイン、本好きが集まるブッククラブ、子供向けの読み聞かせ会などが行われるとリアルに誰かとつながったり愛読者のコミュニティにもなる。町の本屋さんは単に本を売る場所ではなく、そこにいると楽しくなったり心地の良い場所に変わっていく必要がある。町の本屋さんは人々の知識や好奇心を育ててくれて楽しい思い出が作られる場所でもある。全国の自治体のうち約4分の1にはすでに書店がない。町から本屋さんがいなくなる前に私達にもできることがあるように思う。」などと述べた。