大和証券キャピタルマーケッツアメリカの高橋さんはアップルが発表した「iPhone16」について「上位機種のプロシリーズと標準型の差が昨年の「iPhone15」に比べて少なかったことに注目している。15は上位機種だけに新ボタンが搭載され、ボディもチタンに変更された。また標準型には一世代古いチップを流用しており、上位機種へ顧客を誘導する姿勢が鮮明だった。一方「iPhone16」は新ボタンを標準・上位機種ともに搭載している。さらに標準型にも最新のチップを導入しており明確な差別化につながっていない。アップルはここ数年、上位機種の販売比率を高めることで単価を上げる戦略を取ってきたが、中国スマホメーカーとの競争激化やAIスマホで「サムスン」より出遅れていることを受け姿勢に変化が出ていると感じている。シェア奪還のために単価よりも販売数量を意識しているようだ。AI機能の導入に加えて今年はスマホの買い替えサイクルも追い風になる見込みで、新機種をきっかけにiPhoneの売り上げは好転するとみている。実際アナリスト予想もiPhoneが年末から増収に転換すると見ているほか、アップルが新型iPhoneの出荷計画を昨年から10%引き上げたという報道もあり、販売については強気な見方が目立つ。しかし単価が下落した場合は利益率に悪影響が出るためアップルの業績への影響は単純ではない。その一方でアップルのサプライヤーにとっては販売増加が素直に恩恵になるとみている。特にアップルの半導開発を支援するイギリスの「アーム」についてiPhone16に導入されるチップからアームの「V9」という新規格が採用されると報じられた。アームのV9の利用量が従来型の2倍になるとされており、新型iPhoneの販売増加が追い風になる代表的な銘柄と考えている。」などと伝えた。