クローズアップ現代 #4949 「この景色をいつまでも…」“持続可能な観光”実現のカギは?
海外には規制を行うことで持続可能な観光へと舵を切った地域がある。アメリカ・ハワイ州のハナウマ湾自然保護区でもかつて観光客が集中し、自然破壊が問題となり、住民からも不満の声が寄せられていた。州は観光客の数を増やすのではなく、1人あたりの消費額を増やすことにした。コロナ禍によって観光客が激減したことで自然の回復がみられたという。ハナウマ湾では入場者がゼロになったことで海の透明度が56%改善。この結果を受けて1日平均3000人から1400人までに入場を制限。週2日はビーチを閉鎖し、入場料を12ドルから25ドルに引き上げた。入場前に講習を受けることが求められ、自然環境を守るマナーを徹底される。州はこうした転換を行うにあたって、観光業者や住民と話し合いを重ねた。特に観光業者に対しては規制があっても長期的にみればビジネスが持続可能になると説得した。戦略転換から5年、観光客数は8%減少したが、総消費額は16%増加した。