NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
病気や障害で自由に外出できない人のために、音楽家たちが自宅まで出向く出張演奏が鳥取県内を中心に行われている。鳥取・倉吉市の小林圭子さんはプロのバイオリニストとして活躍しながら、音楽の宅配便を主催している。普段はバイオリン教室で子どもたちを中心にレッスンを行っている小林さん。音楽の宅配便を始めたきっかけは30年以上前の息子の病気だった。重い心臓病で生まれてきた息子の手術は無事に成功したが、小林さんは病気や障害がある人たちについて深く考えるようになった。小林さんは難病などでコンサートに行くことができない人へ出張演奏をする団体を9年前に結成。その思いに共感したプロの音楽家24人が集まり、依頼した人のリクエストや好みに合わせた演奏を届ける。今回、音楽の宅配便を依頼した鳥取市の夫婦。夫は46歳で全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病ALSを発症。以来およそ20年、病気は進行して今では寝たきりの状態。妻とは両目の僅かな動きを頼りにコミュニケーションを取っている。夫はもともと音楽好きで、歌謡曲やジャズなど幅広く聴いていたが、病気を発症してコンサートには行けなくなった。今回リクエストした曲は夫が大好きな映画「紅の豚」のテーマソング。夫婦の自宅に小林さんたちが訪れた。30分間で7曲を演奏した。