ドキュメンタリー「解放区」 「声」-あなたへ
トラック運転手の田島は喉にガンが発生し、声を失ったが、失う前に妻や巣立った子どもたちにメッセージを録音していた。そんな田島は一握りの希望を手に声を取り戻すためのプロジェクトに参加しようとしていた。田島の主治医は名古屋大学病院の西尾医師であり、西尾は田島のガンは下咽頭がんでありステージ4に至っていたなどと写真を用いて解説した。田島の妻・鈴子は高校の同級生。電気式人工喉頭は田島にとってなくてはならないものであり、電気式人工喉頭を喉元に当てることで発声することが可能で、田島は約半年で使いこなせるようになったものの、発生する音は機械音声で抑揚もなく、田島は嫌がっていた。術後4カ月、この日田島は名古屋大学病院に通院した。田島は術後、食道と気管を分離し、気管は喉の穴である永久気管孔に繋がれ呼吸できるようになったが匂いに鈍感になった。田島は自分の状況を受け入れつつあったが、孫と自分の声で話したかったという思いもあった。手術前夜、田島は声を失う前に孫とテレビ通話していた。2022年2月21日、田島は声帯摘出手術を終えた。