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きのう行われた自民党、公明党、国民民主党の会談。与党側は政府がまとめる新たな経済対策に国民民主党が主張する「103万円の壁」の見直しなどについて、盛り込む姿勢を示した。「年収の壁」をめぐっては、所得税の発生ラインとなる「103万円の壁」の他に、厚生労働省では社会保険料の負担を巡る「106万円の壁」について議論が行われている。年収や企業の従業員の数、働く時間などが現在の条件だが、制度が見直された場合、労働時間が週20時間以上であれば年収を問わず社会保険料を負担することになる。月額給与が9万8000円の場合、手取りは年間約16万円減ることになる。将来の年金は増え、傷病手当などの社会保障制度が受けられる。厚労省は働く人の将来の安定に繋げることを目的としている。「106万円の壁」に該当する人は約200万人と見られていて、受け止め方はさまざま。働くのを週20時間以内に抑えようとすると、都市と地方で格差が生まれる。東京都と秋田県で、最低賃金で週15時間勤務した場合、年に16万円ほど差が出る。スーパーアキダイでは従業員約220人のうち150人がパートタイム。社会保険に加入する人が増えると、その保険料の半分を企業側が負担することになる。政府からの助成制度もあるが、あくまで暫定的な措置のため今後どうなるかは決まっていない。社会保険を巡る年収の壁ができたきっかけは1985年の制度改正。当時の社会に合わせ、保険料を払わなくても専業主婦が年金を受け取れるように。その対象のボーダーラインとしてあるのが106万円などの年収の壁だが、時代とともにライフスタイルが変化する中で多くの人へ社会保険の加入を広げることが政府の狙い。厚労省は「106万円の壁」についての議論を年内に取りまとめることを目指している。