報道特集 (特集)
函館少年刑務所の職業訓練船「第5代少年北海丸」がイカ釣り漁に出る日がやってきた。当局が神経質になるのは受刑者の逃走。何度もボディーチェックを受けてようやく塀の外に出る。刑務所から函館港の外れに係留されている「少年北海丸」まで護送車に乗せられる。僅か20分だが、久しぶりに見る塀の外の風景だ。船内で1泊するための水や食事が北海丸に積み込まれた。食事は刑務所で作られた一般の受刑者と同じもの。北海丸がふ頭を離れ、漁場に向かう。かじを取るのは受刑者。他の船に注意しながら慎重に進む。甲板では漁の準備も始まった。漁の前に腹ごしらえ。日暮れとともに、集魚灯がつき漁が始まった。船酔いの訓練生もいる。通常、夜明けまで操業するが、この日は海が荒れて早めに引き上げることになった。この夜の成果は29匹。市場の競りで6800円。お金は国庫に入る。漁を終えた訓練生は、受刑服に着替えて北海丸に泊まる。出入り口では寝ずの番が監視。訓練生はあくまでも受刑者。