ZIP! ?よミトく!
新入社員や研修生によるサービスを低価格にするというお店が増えている。サービスの内容や増えている理由などを解説する。今月オープンした大型量販店で話題になっているのが、精肉コーナーにある「正直」のポップに「未熟な従業員がカットしたお肉をお安くさせていただいております」と書かれていて、お店にある肉の切り方を学べる研修センターで学んでいる研修生が、練習のためにカットしたお肉を通常より最大3割ほど安く販売しているそうだ。客とお店の双方にメリットがある研修生価格は飲食店でもあった。
ある焼肉チェーンでは、東京・丸の内に従業員11人中9人が研修生というお店を営業していて、店長と料理長以外は、調理も接客もすべて研修生が担当していて、価格は全品20%オフとなっている。現在いる研修生は今月いっぱいで1年の研修期間を終えるが、4月からは新たな研修生が入ってくる。お店が懸念しているのは商品を出す時間が多少かかってしまうことなどで、例えば、牛タンをカットする時間を料理長と研修生で比べると、料理長が2分25秒、研修生が4分20秒と2倍近くはかかっていた。注文が多く入ると、出すまでに時間がかかってしまう可能性があるというが、それでもお店は満席になる日が多いそうだ。
研修生価格のお店は銀座の有名なすし店でもあり、中トロは通常2200円が660円だという。研修生価格は飲食店以外でも、ネイルサロンでも導入されていて、東京・池袋にあるお店では、ワンカラーで通常3790円が研修生価格で1500円で行っている。美容室のカットモデルとは違い、ネイルは従業員同士でも繰り返し練習できそうだが、実際にお店でサービスを行い、お客さんに喜んでもらえることがやりがいのアップにもつながっているそうだ。経済の専門家は、「最近の経済状況を考えると、導入することで新人の早い段階で戦力となり、離職率も下がるため人手不足の対策としても有効、物価高の中で低価格で商品を出せること、さらにタイパ重視の最近の若者のニーズにもマッチしているので研修生価格を導入する企業が今後も増えてくるのではないか」と分析している。