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湖や海など、水中にある遺産や文化財のことを「水中遺跡」「水中文化遺産」と呼ぶ。世界的に有名なものだとエジプト・アレクサンドリア沖に眠る海底遺跡。「タイタニック号」も水中文化遺産の1つになる。びわ湖ではこれまでにも少なくとも78か所の水中遺跡が確認されている。このうち最初に見つかったのが「葛籠尾崎湖底遺跡」。1924年に漁の網に縄文土器が引っかかったのがきっかけで見つかった。これまでに約200点の土器が湖の底から引き上げられている。びわ湖の水中遺跡のほとんどは浅いところで見つかっているが、葛籠尾崎湖底遺跡は最深で約70m。そのためどのような経緯でできた遺跡なのかが謎とされてきた。この遺跡を15年以上に渡って調査している立命館大学の矢野健一特任教授。今年8月、教授のグループが水中ロボットを使って調査をしたところ、水深65メートルの地点に古墳時代の甕6点が1か所にまとまって沈んでいる様子を撮影することに初めて成功した。この発見が謎の解明を前進させるカギになるという。その理由として、まず土器が完全な形を保っているということ。これにより地盤沈下説や祭祀説の可能性が消えた。残るは転落説。矢野教授は「船の転覆による積荷の落下。少なくとも古墳時代の甕に関しては有力な証拠になると思う」と話している。ただ、別の時代の土器についてはまた別の理由があるかもしれないということで、矢野教授はこれからも調査を続けたいとしている。