国際報道 辻’s ANGLE
モディ首相の中国訪問は7年ぶり。インドと中国は2020年6月、両国の軍は国境地域の係争地帯で衝突。インド側で20人が死亡、45年ぶりの死者が出た。インドの外相は国境線の状況と両国の未来の関係は切り離せないとまで発言。きのう行われた会談では平和と安定の雰囲気が醸成されていると述べ関係改善が進んでいるとの印象を受ける。ニューデリー支局の松本記者に行く。訪問の理由について、係争地の問題を解決する方策を模索することで両首脳は一致していた。外相も互いの国を訪れるなど外交が活発。トランプ政権がインドからの輸入品に高い関税を課し、アメリカとの関係が悪化していることも背景にある。関税はロシアとの歯止めにならずアメリカの意図とは真逆の結果を生んでしまっている。アメリカはインドを取り込もうと関係を強化してきた。理由は中国に対抗するため。トランプ関税はインドを引き寄せるどころか中国に接近させる皮肉な結果に。モディ首相は3日の戦後80年の軍事パレードには出席しない意向を示している。理由は?松本記者によると、インド政府による公式な説明はない。日本との関係を考慮してバランスを取ったという見方がある。国内世論からの批判を交わす狙いもある。上海協力機構は中国やロシアが西側主導の世界秩序に対抗していくための枠組み。グローバルサウスの多くに国々は欧米や中国、ロシアの枠組み両陣営を行き来して自国の利益を最大化しようとしている。インドもそのひとつ。多極化への世界の断面を克明に映し出している。
