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トランプ大統領が「ガザ地区の住民の別の場所への再定住を進めるべきだ」とした主張は波紋を広げそうだ。トランプ大統領は先月、ヨルダンとエジプトに対しガザ地区の住民の受け入れを求めるような発言をしたが改めてさらに具体的に主張した形。アメリカ政府高官は会談を前に「トランプ大統領はガザ地区の再建には、少なくとも10年から15年かかり住民を不発弾やがれきが散乱する場所に居住させることは非人道的だと考えている」と述べて擁護した。トランプ大統領の主張はガザ地区の住民の気持ちを無視し強制移住につながりかねない上、ガザ地区の占領政策をとってきたイスラエルに沿った内容。1948年のイスラエル建国によって多くのパレスチナ人は暮らしていた土地を追われ各地で難民となり、その数は約70万人に上った。パレスチナ人は、これをアラビア語で、大惨事を意味する「ナクバ」と呼んでいる。難民となったパレスチナ人の中にはもともと、暮らしていた土地に戻ることを願い続ける人も多くいる。トランプ大統領の主張は関税を交渉のカードにして他国から譲歩を引き出すように、エジプトなどから「なんらかの譲歩を引き出そうとしているのかもしれない」という見方も一部であるが、アラブ諸国から反発を招くことは避けられないとみられる。ヨルダン側西岸ではガザ地区で停戦が始まった2日後にイスラエル軍が新たな軍事作戦を開始し、パレスチナ当局は今年に入ってこれまでに少なくとも70人が死亡したとしている。一方、トランプ大統領は2期目の就任初日、ヨルダン川西岸でパレスチナ人への暴力に関わったユダヤ人入植者に対するバイデン前政権の制裁措置を破棄していて,入植活動が助長されることが懸念されている。2期目の就任演説で「平和の使者であり団結を促す人物でありたい」と述べたトランプ大統領。パレスチナの平和は一体どのように描いているのだろうか。