NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
1960年ごろから70年代にかけて流行したジュークボックス。箱の中には何十枚ものレコードが入っていて、その中から好みの曲をかけることができる。当時を知らない世代の人たちが今、その魅力にはまっている。米国発祥のジュークボックスは戦後、日本に持ち込まれ、かつてはカフェやバーなどで楽しむことができた。しかし1980年以降は、カラオケの普及などで次第に数を減らし、今ではほとんど見かけなくなった。そんなジュークボックスをよみがえらせようと奮闘する男性が札幌市にいる。亀卦川浩司さんは電気工事会社に勤めながら、仕事終わりや休みの日に自宅でジュークボックスを修理している。きっかけは17年前、友人から修理を頼まれたことがジュークボックスとの出会いだった。それまでジュークボックスで音楽を聴いたことはなかったが、修理をしていくうちに、その聴き心地にはまっていった。ジュークボックスはすでに日本では生産されておらず、部品が手に入りにくい。そのため、回路図をもとに独自に部品を作って代用している。丁寧な仕事ぶりが口コミで広がり、亀卦川さんのもとには動かなくなったジュークボックスの修理依頼が全国から寄せられている。亀卦川さんがよみがえらせたジュークボックスが置かれているススキノのバー。常連客の1人、32歳の齋藤光汰さんは、職場の先輩に連れられてこの店を訪れたことがきっかけでジュークボックスをよく聴くようになった。先輩とは30歳以上年が離れているが、ジュークボックスの魅力は年代を超えて仲を深められることだと感じている。昭和の音色を奏でるジュークボックス。懐かしさと新しさが相まって、今、幅広い世代を魅了している。