ANNスーパーJチャンネル (ニュース)
海外では日々新しい薬が誕生しているが、その7割は日本では承認されていない。30代で肺腺がんを患った男性は、海外には治療薬があるものの日本では未承認だったため薬の治験を志願した。新薬の投与で男性は一命を取り留めたが、ともに闘っていたがん患者は投与の前に亡くなったという。日本新薬が認められない理由について、大阪大学の忽那教授は「日本は国民皆保険制度があり治験に参加しなくても良いと思う人が多い」「様々な規模の病院が分散され患者も分散されるので特定の病院でたくさん患者を集めて治験を行うことが難しい」などと指摘した。
治験を巡る問題を改善する動きもある。湘南鎌倉総合病院では従来治験者の情報は製薬会社や医師らにメールや電話で伝えており、情報の伝達に数日かかることが課題だった。去年実用化されたシステムに情報を入力すると、即座に製薬会社や医師らとウェブ上で共有することができる。また今年1月、早老症の治療薬「ゾキンヴィ」が新たに承認された。2020年にアメリカで承認され、3年余で日本でも承認された。政府は今後、新薬の製造体制の整備などを進めていく方針。