世界注目“名建築”解体か再生か

2025年8月26日放送 0:39 - 0:47 TBS
news23 (ニュース)

まるで船を思わせるような曲線的なデザインの「旧香川県立体育館」。世界的な建築家・丹下健三氏が設計し、1964年に建設された。特徴的な形から「船の体育館」と呼ばれ長年親しまれてきたが、県は10億円の公費をかけて解体を決定した。一方、民間団体は建物の保存を訴えている。こうした声はアメリカの名門「ハーバード大学大学院」や「ニューヨーク近代美術館」からもあった。20世紀の建築遺産の保存活動を行う国際学術組織は県を訪れ再考を求めた。戦後の日本を代表する建築家・丹下健三は東京都庁舎・平和公園を設計し、1964年には東京オリンピックに合わせて建てられた「国立代々木競技場」は世界的に高く評価されている。代々木競技場と同じ年に建てられたのが船の体育館で屋根をケーブルでつり上げ、柱のない広い空間を実現していた。文化的価値が高いとされる一方で、2014年には耐震性を理由に閉館。利活用の方策も検討したが、実現には至らず県は解体することを決めた。高松市に住む建築家の長田慶太さんは体育館の保存を訴えている。長田さんは複数の企業の支援などを受けて、民間団体「旧香川県立体育館再生委員会」を設立し体育館を再生する計画を県に提出した。県から建物・土地を買い取り、宿泊施設として整備する案で年間約1~3億円の営業利益を見込めるとしている。初期投資30~60億円についてはすでに「調達目処も立っている」という。つまり県は解体費用の10億円を負担せず、むしろ売却益が得られるという計画である。香川県・池田豊人知事は「先延ばしすることはできない」とのことだがその理由は体育館前の道路が地震発生時の緊急輸送路になっているためだという。これに対し長田さんらは「専門家による”建物の倒壊などの懸念はない”」などとする評価書を県に提出したが、池田豊人知事は「南海トラフ級の地震において倒壊の可能性は高い」とのことだった。長田さんらは県に対し”対話の場”を設けるよう強く求めている。


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