再生可能エネルギーへ 立ちはだかる中国の壁/主要国に比べ日本出遅れ

2024年12月23日放送 12:44 - 12:55 テレビ朝日
大下容子ワイド!スクランブル 池上彰&増田ユリヤ 徹底解説

「ドラギレポート」とは、欧州が競争力をどう維持していくべきかまとめた報告書の作成を、マリオドラギ氏に依頼したもの。ドラギ氏は「経済安全保障の観点から、特定の国への依存度を低減させるべき」と指摘した。特定の国として例に挙げたのは中国。太陽光発電をめぐっては中国の過剰生産により太陽光パネルの価格が急落。世界需要(去年)は533ギガワット、中国の供給能力は1036ギガワットで、採算が取れず工場を停止する欧州メーカーもあるという。中国は太陽光パネル、電気自動車(EV)、リチウムイオン電池を「新三様」として、企業に補助金を出すなど強力に支援している。中国製太陽光パネルの主要部品のシェアは、来年には95%になる可能性がある。2022年に世界が導入した風力発電機は6割弱が中国勢が占めた。中国は今風車の大型化に力を入れている。
再生可能エネルギーで作り出せれた電気で水を電気分解して水素を取り出そうと環境に配慮したのが「グリーン水素」と呼ばれている。グリーン水素を作るのに必要なレアメタルのスカンジウムは世界生産量が年間24t程度。生産国のトップは中国の67%、2位がロシアの17%。代替素材の開発が進むがコストや効率の面で課題もある。主要国の再生可能エネルギー比率は日本は21.7%で中国より下となっている。出遅れの原因はコストの高さだと言われている。日本の太陽光発電コストは世界の2倍、風力発電は3倍となっている。東京都では再エネ導入を促進する取り組みも始まろうとしている。東京都は来年の4月からハウスメーカーに対し新築住宅に太陽光発電設備などを義務つける制度を創設する。


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